倒木でデータセンタが停電!?
倒木によるデータセンタの停電が発生したというニュースを見かけました。元記事を探すとこちらのデータセンタの模様。
通常のデータセンタではおきない障害
一般的なデータセンタ専用建物では、地域一帯が停電になったとしても、24時間~72時間は停電せずに動き続けることができる仕組みになっています。地域停電で止まってしまうようなデータセンタは、オフィスビル等に入っているものですね。それでもだいたいデータセンタが入居するようなビルには「非常用発電機」(通称GTG)やUPSが備えられており、地域の停電くらいでは電気が止まらないようになっています。
発電所→変電所→UPS→ハウジングラックといった経路で電気が流れており、この変電所からの電気がとまると、10分~20分はUPSが耐えて電気供給を続け、その間にGTGが起動して変電所の代わりに電気を供給する仕組みです。
データセンタ専用建物の場合
建物によりますが、変電所からデータセンタに入ってくる経路が分かれて入ってくるのが一般的です。また、この電気経路が地上の電線だと何かで切れたりすることがあるので、多くは地下に埋設されている共同溝を経由して供給されます。ごくまれに、道路工事でミスして切れてしまうなんて話を昔は聞きましたが、いまは共同溝がしっかりしてきているのであまりないようです。
電力経路だけでなく、通信経路も非常に大事です。データセンタにつながっている通信線は光ケーブルでつながっており、この光ケーブルが損壊すると通信が止まります。この通信経路も異経路から入ってきているのが基本ですね。
利用内容に合わせてデータセンタを選ぶ
データセンタ専用建物のデータセンタは品質が高く、障害耐性も当然強いです。しかし、こういったデータセンタは設備にお金がかかっているためとても利用料が高額になります。だいたいはGTGの起動試験を毎月実施しており、この1回の試験で数十万のコストがかかっています。
一方で、一般的なオフィスビルの中にあるデータセンタは、法定点検による年に一回の停止が必要だったりして、あまり継続性は高くありません。しかし、その分安価に利用できるメリットがとても高いです。
かけられる費用と、その設備の違いをよく見極めて利用する必要がありますね。
日本データセンタ協会の指標値
日本データセンタ協会ではこのデータセンタのレベルに合わせた評価を行っています。詳しくはリンク先をみてみてください。